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2010年3月16日(火)

【経営者は語る 第4回】ガンホー社長兼CEO森下一喜氏に聞く、同社の新戦略

文:電撃オンライン

──先ほどインターネットへの接続条件の話が出ましたが、森下さんご自身が感じる、携帯電話プラットフォームの優位点はどこにありますか? PCオンラインの成長をしのぐ勢いで、携帯電話用ゲームが伸びるであろう理由、ということになりますが。

森下氏:まず前提として確認しておきたいのですが、PCオンラインゲームが伸びていないという話ではなく、現にPC版の『ラグナロクオンライン』は、1か月で数万人規模のお客様が訪れています。つまり、単純に「PCから携帯電話へ」という話ではなく、「ブランド全体をいかに成長させていくか」を優先に考えているわけです。

『【経営者は語る第4回】ガンホー・オンライン・エンターテイメント 森下一喜氏』 『【経営者は語る第4回】ガンホー・オンライン・エンターテイメント 森下一喜氏』

──つまり「PCから携帯電話へ」ではなく、「PCに続いて携帯電話へ」というわけですね。

森下氏:そう。そして正式サービス開始から7年といえば、かなりの時間です。学生のときにプレイを始めたお客様は、まず間違いなく社会人になっています。お客様が世代交代していくのは当然のことだし、例えば任天堂さんの『ポケット モンスター』にしても、新しい世代の取り込みを続けて今にいたるわけです。それが、ブランドの育成ということだと思います。

──ポケモンはすでに一世代分を越えて、親子で楽しまれるコンテンツになっていますしね。

森下氏:PCで『ラグナロクオンライン』を展開した当初は、まずイノベーター層と呼ばれる時代に敏感な方々がお客様になってくれてコアとなり、そこからアーリーアダプター層を取り込んできてくれることで、プレイ人口が拡大していきました。ですがサービスの期間が長くなり、時代が移れば、作品に魅力を感じてくれる人の日常感覚も変化していくわけです。いまの中高生はPCになじみが深いかといえば、それより携帯電話だろうと。

──コモディティのシフトを、重く見ているわけですね。

森下氏:はい。そこで新しい層を取り込んでいくには、新しい状況に対応するしかありません。僕らも、世代をまたいでブランドを展開していきたい。もともと『ラグナロクオンライン』については創業のころから、そうしていきたいと思っていました。PCオンラインタイトルとして「寿命はこれくらい」などと考えているわけではないのです。

 どうしてもタイトル単位で考えてしまいがちだけれども、僕らは一つのものを大事に育てていきたい。いったい何が大きなブランドになれるのかという問題はあるにせよ、プレイヤー層の変化に応じて考えていかなければならないのです。

──ブランドのライフサイクルと、プロダクトのライフサイクルは違うと。

森下氏:ブランドを作り出すのはたいへんなことだと思っていますが、まずは一つ一つ、クオリティに対するこわだりを持って作っていくのが基本だと思っています。

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