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2012年12月29日(土)

トッププレイヤーたちが教える『ブラックオプスII』の極意も公開! コア層のFPS有識者は今回の『コール オブ デューティ』どう見るか?

文:電撃オンライン

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『コール オブ デューティ ブラックオプスII』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 国内発売から約1カ月が経過した、『コール オブ デューティ ブラックオプスII』。世界中のプレイヤーたちによる研究も進み、まさに今が旬のFPSだと言えるだろう。

 ということで、今回の記事では、国内FPS勢に名の知れたプレイヤーである、uNleashedさん、BRZRKさん、hanatyanさんのお三方に集まっていただき、『コール オブ デューティ ブラックオプスII』と国内でのFPS事情について語ってもらった。

 また、本作からFPSを始めたという人や、まだまだFPS初心者だという人のために、いろいろとアドバイスもいただいたので、FPSをうまくなりたい人はぜひとも最後まで読んでほしい。

『コール オブ デューティ ブラックオプスII』
▲左から、BRZRKさん、uNleashedさん、hanatyanさん。

【座談会メンバー紹介】

uNleashed(アンリーシュド)さん
 元FPSプロゲーマー。現在は“Tokyo Game Night !!(TGN)”の立ち上げメンバーとして、ゲームコミュニティの支援や振興活動を行っている。

BRZRK(バーサーク)さん
 国内外のFPS大会で実績を上げたFPSのエキスパート。“Tokyo Game Night !!”のスタッフ、“日本FPS界の伝道師”として執筆活動や大会の実況解説などを精力的に行っている。

hanatyan(ハナチャン)さん
 LANパーティー団体“Tokyo Game Night !!”発起人であり、数々のFPSの対戦サーバーを運営してきた“秘密基地GAMES”の管理人。現在もFPS界の裏面で暗躍中。

(※以下、敬称略)

■FPS有識者から見た『コール オブ デューティ ブラックオプスII』

──さっそくですが、ざっくりと言って今回の『ブラックオプスII』はどうですか?

uNleashed:キャンペーンは相変わらず、没入感を出すための演出がものすごいゲームですよね。カメラワークも一人称視点であることにこだわっていて、あらゆるシーンをFPSとして演出しようと作り込んでいるのは、毎回のことながらすごいと思います。

BRZRK:いかに目で見た段階での楽しさをプレイヤーに感じさせるかという点にこだわっているから、コンソールでもフレームレートを60fpsから極力落とさないように調整しているんだろうね。

uNleashed:シナリオも含めて、FPS的な演出でこれに勝てるゲームが他にあるのかというレベルを突っ走っているシリーズだと思いますよ。

hanatyan:ハリウッド映画的なシナリオを一人称視点で体験させるという点においては、トップクラスの手法を確立しているゲームではあるよね。

uNleashed:コンソールでの評価はどうなんだろうね?

BRZRK:評価高い。キャンペーンをやって、そのままちゃんとマルチにも人が流れていってる。結局、みんなこういうゲームが好きなんだよ。

uNleashed:PC勢からちょくちょく聞こえてくるのが、マルチのストリークのシステムが変わって喜んでいる人が多いって話だけど。

BRZRK:『モダン・ウォーフェア3』では、初心者でもストリークがバンバン使えるようになった点が、改悪だとか大失敗だとかも言われていたけれど、今回は前の方向性に戻ったようで、ストリークがちゃんとキルに対するご褒美になっていて、そこはよかったかなと。

──これまでのゲーム記事では、“日本ではFPSはまだまだマイナー”みたいなことを書くこともありましたが、近年の『コール オブ デューティ』シリーズの売れ行きを見ていると、さすがにもうマイナーとは言えなくなってきました。

BRZRK:あとは、日本のメーカーもFPSを作るようになってくれればと思うんですが、『コール オブ デューティ』のようなゲームがもう出ている状況だと、FPSを作ったことがない日本のメーカーがFPSに手を出すのは難しいですよね。

hanatyan:これまで、売れなかったFPS作品がなぜ売れなかったのかという理由の1つに、自分がうまくならないとカッコイイシーンが作れないからというのがあるんですよ。ところが、『コール オブ デューティ』をはじめとした最近のFPSでは、誰がプレイしてもカッコイイシーンを自分自身の操作で体験できるようになっているんですね。そういった手法の積み重ねが、Activision(アクティビジョン)やEA(エレクトロニック・アーツ)といった大手パブリッシャーの傘下ではちゃんとできている。

uNleashed:ゲームに限ったことではないですけど、最近よく言われている“ユーザーエクスペリエンス(自身の操作から得られる体験)”の話ですよね。概念的に、ユーザーエクスペリエンスをどう定義して、どう設計するのか。それがあって初めて、どんな腕前の人がプレイしても同じような体験ができるように作ることができるわけで。それが、近年になってやっと安定してきた。そもそもFPSって、ユーザーエクスペリエンスという点では最悪に近いジャンルだったと思うんですよ。プレイした時々によって、おもしろかったり、つまらなかったりといった展開になりがちで。

hanatyan:自分から何かをしないと、何が起こっているのかわからないまま死んでしまうゲームですからね。いいタイミングで爆発が起きて、そこをギリギリで走り抜けていくみたいなおもしろいシーンを、どうやってプレイヤーに体験させるのかと。

uNleashed:そのあたりは、自動回復の概念が入ってきてガラっと変わったところだと思うんだけど。シチュエーションをコントロールしようという意図が見られるようになってきたというか。

BRZRK:ライフパックを取って回復といった面倒くさいプロセスがなくなった分、プレイヤーの意識を想定したシーンにフォーカスさせられるようになったのも大きい。

hanatyan:昔のFPSは自分の頭の中で考えた道筋で進めていくものだったけど、今のFPSは雰囲気でプレイして楽しめるようになっているのかなと。『Half-Life』で生まれたFPSにおけるストーリードリブン(物語がプレイヤーを導くゲームデザイン)をさらに拡張して完成させた手法が、今の『コール オブ デューティ』の形なんだろうね。

uNleashed:『Half-Life(ハーフライフ)』があって、それに続くマイルストーン(道標)は『コール オブ デューティ』だと言われると、ハッキリわかる気がします。

BRZRK:『コール オブ デューティ』に見られるような、映画的な手法を最初に取り入れたのは『Half-Life』だからね。

uNleashed:『コール オブ デューティ』から少し話がズレますが、ここ最近で、インディーズのゲームが十万本単位、ものによっては百万本単位で売れるようになってきましたよね。じゃあ来年は、どんなFPSが流行るのかと考えた時に、インディーズと大手パブリッシャーとでは、方向性がぜんぜん違うと思うんですよ。インディーズは何を売るのかというと『DOOM(ドゥーム)』のようなポジションのゲーム。インディーズができるのは、コンセプトとゲームシステムを作るところまでで、大手パブリッシャーの作品に見られるような演出であったり、ストーリーや世界観の構築であったりは、基本的にまったくできないと個人的には思っています。

 FPSは10年前と比べて、パッと見でシリーズ作品の数が減って、元気がなくなったと悲観する人もいるんですけど、僕は、それは違うと思うんですよ。大手パブリッシャーにしか作れないものは『コール オブ デューティ』や『バトルフィールド』といった大きなシリーズに集約されて、もっとラフなマルチ体験や尖った作品を求めている人はインディーズに手を出すといったように、住み分けがはっきりしてきただけなんじゃないかと思いますね。

→『コール オブ デューティ』って『バトルフィールド』と何が違うの?(2ページ目)

(C) 2012 Activision Publishing, Inc. Activision and Call of Duty are registered trademarks and Black Ops is a trademark of Activision Publishing, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.

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データ

▼『コール オブ デューティ ブラックオプスII』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PC
■ジャンル:ACT
■発売日:2012年11月22日
■価格:オープンプライス

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