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2012年12月29日(土)

トッププレイヤーたちが教える『ブラックオプスII』の極意も公開! コア層のFPS有識者は今回の『コール オブ デューティ』どう見るか?

文:電撃オンライン

■マルチプレイにおける『ブラックオプスII』のポジション

『コール オブ デューティ ブラックオプスII』

uNleashed:マルチプレイにおいて、コアかカジュアルか、コンペティティブ(競技的)かどうかと考えた時、『ブラックオプスII』はどのポジションになるんだろう?

hanatyan:コンペティティブでは……ないほうかな?

uNleashed:僕のところに聞こえてくる話では、遊びやすくなって、カジュアルな方向になったという声が多くて、ゲームモード的にも(賞金のかかった)大会に向いているイメージが沸かなかったので、カジュアルなのかなと。

hanatyan:システムとしては、観戦もできるし、リプレイデモもあるし、動画の配信までできるので、かなりコンペティティブな遊びを念頭に置いているとは思うんですけど、ゲームバランス的には違うんじゃない? と。シリーズの新作が出るたびに言われていることなんですけれど、「『コール オブ デューティ』は武器のバランスさえよければ神ゲー」っていうのがありまして。

BRZRK:今回は武器のバランスと言うよりも、Park(パーク)だと思う。

hanatyan:Parkもそうだけれど、SMG(サブマシンガン)を持って走り回ればなんとかなるだろ的なところがあるので。

BRZRK:でもそれって、武器じゃなくてマップ構造の問題じゃない? と言うか、レベルデザイン全体の問題で。

hanatyan:いや、でも武器のバランス調整にかなり引っぱられている気がする。

uNleashed:そのあたりのデザインは相関関係にある部分だから、どっちがどっちとは言い切れないんじゃないかな?

BRZRK:とは言え、『モダン・ウォーフェア3』から比べれば、武器バランスはよくなったよ。みんなチャマス(TYPE95)ばっかり使っているんだもの。

──国内でFPSのマルチプレイが盛んになったのは、『コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア』のヒットが大きなきっかけだったと思いますが、『コール オブ デューティ』シリーズの立ち位置はどうなんでしょうか?

uNleashed:『コール オブ デューティ』にコンペティティブなものを求めているプレイヤーは、『コール オブ デューティ4』を今でもやっていますよね。

hanatyan:なぜ彼らが『コール オブ デューティ4』をやっているのかと言うと、コンペティティブなバランス調整をしたMOD(ゲームの拡張パック)があるからなんですよ。コンペティティブなものはそこで完結していて、以降のシリーズにはそういったMODが導入できないからやらないという。

uNleashed:難しい話ですよね。ユーザーエクスペリエンスのことを考えると、MODの排除も1つの選択だと僕は思うんですよ。

BRZRK:製品のサイクルを考えた時に、MODはいらないというのがActivisionの判断なんでしょうね。例えば『Counter-Strike(カウンターストライク)』のように、『1.6』からプレイヤーが動かないと困るわけですよ。

hanatyan:大手はどこもそうですよ。EAの『バトルフィールド3』もMODのサポートはしていませんし。これが終わったら次のシーズン、そしてまた次のシーズンへと進んでいかなくてはいけないのに、MODのサポートをしていると先に進めなくなってしまう。

uNleashed:ビジネスモデルとして考えたら、当然の話ですね。

hanatyan:(メーカーにとって)MODはゲームが売れていない時であれば、天から降ってきたチャンスではあるんですけど、コントロールができている時には邪魔でしかないものなので。それでもMODをサポートしていきたいというのであれば、コンペティティブなユーザーコミュニティと組んでやっていくしかないと思います。

uNleashed:ただ、それも難しい話で、公式がコンペティティブな人たちの意見にあまり寄ってしまうと、野鯖(一般ユーザー管理のサーバー)が悲惨なことになる。そのあたりは、答えがない中で試行錯誤しているところだと思いますね。

BRZRK:俺としては、コミュニティに寄らないで、「これから1年はコレ。たまにバージョンアップするから」でいいと思う。あまりにもバランスが酷いと言われた時には、その都度調整を入れて、様子を見つつ運営していくのが正解だと思う。

hanatyan:いわゆるガチ勢とエンジョイ勢の住み分けというのは非常に難しくて、住み分けができない以上、両方を楽しませる作りにしなくてはならないというのが大変なところではありますよね。

BRZRK:かと言って、バランスをフラットにするとつまらないゲームになってしまうから、バランスを崩壊させるようなものも多少は容認して、そのうえで武器とマップのバランスが噛み合うかというのを見ていかなくていけない。

hanatyan:『コール オブ デューティ』は出会い頭での撃ち合いになることが多くて、スラッグ弾のショットガンがメチャクチャ強かったり。それに撃ち負けると、納得がいかないものがありますよね。先に撃ち始めたのはコッチなのに、「俺の弾返して!」みたいな(笑)。

BRZRK:それでも、先に撃ったのに頭に当てられなかったお前が悪いと言われてしまうと、何も言い返せないんだよね。

hanatyan:そうなんだけれど、それを認めてしまうとエイムが得意な人しか楽しめないゲームになってしまうので、どうなんだろうと。エイムは苦手だけど立ち回りで勝ちたいという人には厳しいかな。

BRZRK:まあ、『モダン・ウォーフェア3』のマップと比べたら、立ち回りで勝ちやすくはなったでしょ。

hanatyan:僕は基本『バトルフィールド』のプレイヤーなので、『コール オブ デューティ』のルートが真ん中で交差する8の字型マップが多いのが気に食わないってところがあるんですけどね(笑)。

uNleashed:いいマップと悪いマップ、両方あっていいと思うんですけどね。それをプレイヤーがどう使って遊ぶのかって話で。

BRZRK:ただ、新規が入りやすいという点では、『コール オブ デューティ』のマップは優れていると思いますよ。

uNleashed:1つの選択として、コアなユーザーがつかないようにしたり、コンペティティブにされないように作るというのもありではないかと思いますね。コンペティティブになると、どこかでストレスが生まれがちなものになると思うんですよ。ただ、カジュアルだと燃焼期間が短くなるので、1年程度のショートスパンで次の新作を出し続けるというやり方で。

hanatyan:タイトルを育てると言うよりも、フランチャイズを育てるという考え方ですよね。たとえ新作を気に入ってもらえなかったとしても、まだそのフランチャイズに熱が残っているうちに次の新作を出せば、戻ってきてもらえるチャンスがあるという。

→ここ数年で大きく動いた日本でのFPSの扱い(4ページ目)

(C) 2012 Activision Publishing, Inc. Activision and Call of Duty are registered trademarks and Black Ops is a trademark of Activision Publishing, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.

データ

▼『コール オブ デューティ ブラックオプスII』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PC
■ジャンル:ACT
■発売日:2012年11月22日
■価格:オープンプライス

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